モノグラム・ヴェルニのカラー戦略

豊富なカラーバリエーションと可憐な雰囲気から、特に若い女性を中心に支持を集めているのがモノグラム・ヴェルニの特徴といえるでしょうか。新シリーズ発表のたびにＪＪやＣanＣamなどの女性ファッション誌で特集が組まれるのもうなづけるところです。特にモノグラム・ヴェルニは財布やキーケース、トートバックなどの小物類に人気が集まります。そこには若い女性たちの心をつかむに充分な魔法がふんだんにちりばめられているのです。プレゼントするなら送り手のセンスの良さを・・・、身につけた時は上品さと洗練された雰囲気を存分に演出してくれるのがモノグラム・ヴェルニなのです。年とともに配色の変化を楽しませてくれるところにもモノグラム・ヴェルニの心遣いが感じられます。以前の淡い色合いのラインナップから、最近は"大人 "を意識した濃い目の配色への展開も注目されています。2007年登場の『 ポムダムール 』は"愛のリンゴ "を意味するモノグラム・ヴェルニの自信作です。今までにない上品なレッドは洗練された雰囲気を漂わせています。

モノグラム・ヴェルニとは直訳すると「 組み合せた文字・エナメル 」ということです。創業者ルイ・ヴィトンのイニシャル『 Ｌ・Ｖ 』を組み合わせたデザイン（＝モノグラム）をエナメル加工（＝ヴェルニ）したカーフスキン（仔牛の革）に型押しした斬新なデザインという意味で名付けられました。しかし日本では本来の意味ではなく、すでにモノグラム＝(イコール)ルイ・ヴィトンとして定着してしまっていますが・・・。　モノグラム・ヴェルニは1998年にデザイナー マーク・ジェイコブスによって発表され、「 従来のルイ・ヴィトンのモチーフを生かしつつ、まったく新しい素材を生み出すアイデア 」として世界中の絶賛をあびました。そしてマーク・ジェイコブスの名を全世界に知らしめることとなったのです。斬新かつ鮮やかな色彩のモノグラム・ヴェルニシリーズはルイ・ヴィトンのこれまでのイメージを一新し、若い人に爆発的な人気をもたらしました。そしてその後の彼の活躍は、まさにルイ・ヴィトンの歴史そのものとなっていったのです。

モノグラム・ヴェルニの財布部門で人気 No.1なのは、三つ折タイプの長財布 "ポルトトレゾール・インターナショナル "でしょう。洗練された品の良さがＯＬに人気です。フランボワーズやポムダムールが人気色となっています。一方、バッグのシリーズではミニサイズのトートバッグ "リードＰＭ "や 人気モデル パピヨンのモノグラム・ヴェルニ版として話題を集めたショルダーバッグの "ベッドフォード "などが揚げられます。　いずれも光の色や強さ、角度などによって微妙な色合いの変化を演出するのがモノグラム・ヴェルニの特徴ですが、それゆえに、その管理にもそれなりの慎重さが求められます。なめした上質なカーフスキンの表面をエナメル加工し、さらに特殊コーティングを施すことで独特の輝きを生み出しているモノグラム・ヴェルニには光が嫌いというワガママな性質があります。夏の強い日差しの下での使用は極力避け、使用後のエナメル専用ローションやＵＶカット(紫外線カット)クリームでのお手入れは必須と思っていた方が良いでしょう。